海外就職者インタビュー HEAR WORKING EXPERIENCE
韓 東熙さん Dong Hee Han
日本の中京大学を卒業後、2006年3月に渡米。渡米後、California State University Northridge
にて半年間の語学留学を経て、EL Camino Collegeに入学。
語学勉強と同時進行でスピーチコミュニケーションなどを学ぶ。2007年4月よりLight Houseに入社し、営業マンとして活躍中
なぜ、アメリカに留学されようと思われたんですか?
大学を卒業するまでずっと野球漬けでした。大学の友達が放課後バイトをして、飲み会などをして過ごしている時期に、僕は土日なし、夏休みなし、という毎日を送っていました。大学生なのに高校球児のような生活でしたね(笑)。大学4年生になった頃、周りは就職活動を始めていたのですが、「何ですぐに就職しなきゃいけないのかな?」と疑問に思いました。そこで、思い切ってアメリカに留学することを決めました。社会人になる前に、もっと見聞や出会いを広げたいと思ったのです。更に、英語を話せるようになれば、もっともっと世界が広がるのではないかなと期待して、渡米しました。でも実際踏み出してみたら、大変でした。語学学校では、英語のエッセイの書き方もわからなくて、厳しいスタートでしたね。そんな中、日本の友人は就職をしていて、正直焦りも感じました。でも、そのおかげで「人よりやらなきゃいけない!」という思いはひと一倍実感できたと思います。
それにしても、半年後にCollegeでアメリカ人と一緒に授業を受け始めるなんて、すごいですね。
結構大変でしたよ。実は入学を決めたときにTOEFLの点数が足りなかったのです。でも、そこで諦めずに直接College のInternational Officeに相談に行き、一緒に解決策を考えてもらい、最終的には入学許可をいただきました。このアメリカという国は、自ら行動したら道が開ける、ということがある国なのです。
入学してからは、Universityへの編入は考えてはいなかったので、好きな授業がとれました。印象深かったのはスピーチコミュニケーションのクラスです。そのクラスでは、2週間に1回くらいの割合でプレゼンテーションがありました。このプレゼンテーションというのも、非常に難関でして、英語が不得意な僕にとってはどう伝えればいいのか、とても悩みました。ところがある時、「すしの作り方」というプレゼンテーションをすることになったのですが、英語が不得意なのを逆に開き直って、おかしな英語でも伝えたいことを精一杯に表現しました。そのとき、皆が親身になって聞いてくれて、僕が伝えたかったことが伝わったのです。言葉を巧みに話せなくても、強い思いは伝わるのだ、ということを痛感しました。僕のことを助けてくれるアメリカ人の友達もできました。このときにもまた、必死になって動いたら前進できるのだ、ということを実感しました
短い間にいろんな変化を経験されていますね。Light Houseさんとのご縁とはどんなものだったのでしょうか?
弊社の社長とは、ソフトボールチームで出会いました。同級生の弟がLight Houseにインターンをしていたことがあって、その彼にLight Houseのソフトボールチームを紹介してもらったのです。弊社の社長にはチームの打ち上げの時などに、何度か声をかけていただいていたのですが、あるとき実際にオフィスに面接に来てもいいですよ、と言っていただきました。そこで、面接を受けさせてもらい、無事に内定をいただいたのです。
Light Houseに入社することを決意されたきっかけは何でしょうか?
内定をいただいた時はとても嬉しかったのですが、実はそのときちょうどCollegeの次セメスターの授業料を払った直後だったので、入社を決めるまでには悩みました。
Light Houseは僕にとって社会人としての始めての会社になります。こちらでの学生時代はなるべく日本のものを遠ざけて、英語漬けの環境にしようとしていました。ですから日本の会社で働くということに始めは悩みましたが、日本の会社でもLAでビジネスを展開しているということは、アメリカで働くということですから(当たり前なのですけれどね(笑)、チャレンジしてみようと決意しました。
また、会社というのは、リーダーの考え方が顕著に表れると思うのですが、弊社の社長のビジネスに対する思いが非常に強く、情熱的で、ビジネスに対する理念にも心から共感できました。ソフトボールのチームメイトのことも知っていましたから、いい雰囲気の職場なのだろうなと感じられたのも理由のひとつかもしれません。
実際入社されてみていかがですか?
実は皆がそれぞれに忙しいので、手取り足取り教えてくれるという環境ではないのですよ (笑)。しかも、たまたま指導してくさった方がすぐに転勤になってしまったので、入社間もないのに1人でやらなくてはいけなくなってしまいました。始めはどうしたらいいかわからないので、人に聞いたり、自分で調べたりと必死でしたが、今思えばこの環境に鍛えられました。アメリカでは、どの会社でも誰かが丁寧に教えてくれたり、支持をくれたりすることは珍しく、新人であっても自ら考え、自ら動くのが当たり前だということは、今ならわかりますので、本当に鍛えられたと思います。
お仕事のやりがいは何でしょうか?
営業の仕事をしていて一番やりがいを感じられるときは、人の役に立てた時ですね。「ありがとう」と言われれば最高にうれしいですし、何か問題が発生したときは一緒になって考えていける。お客様と直接出会う仕事だからこそ、お客様の思いが直接感じられるのです。社会人の1人として、一企業の一員として、僕のやっていることが日系社会の活性化につながるといいなと思っています。将来的には、起業をしたいという思いもありますが、例えば僕の強みである野球を通して社会に貢献できたらいいなぁという秘かな野望というところですね。日本からアメリカに来る若い世代の方に、何かを紹介したり提供していけるようなこともしてみたいなと思います。
これからアメリカへ羽ばたく若者へメッセージをお願いします。
目標があったらなおさらいいけれども、「やってみたい」という好奇心や興味があるならば、とにかく行動してみることをお勧めします。思っているだけで行動に移さなかったら、何も変わらないですからね。僕も当初は2年間だけ学生をする予定でしたが、やりたいと思ったことを行動に移してみたら、いろいろな方々との出会いがあって、その都度自分なりに選択していった結果こうなりました。ですから、例えばACOさんを使うなり、何かしらきっかけを作って、行動をおこしてみてください!と声高にいいたいです!
元高校球児らしくさわやかで、はきはきした印象のHanさん。彼がLight Houseさんの顔となって活躍されているのはこういうキャラクターをお持ちだからなのだと思います。彼がおっしゃっていた「とにかく行動に移すこと」は、アメリカで生きていくうえで重要な要素のひとつだと私も日々感じます。そこから出会いも生まれ、チャンスも巡ってくるものです。そして、Hanさんのように常に笑顔と相手をレスペクトする気持ちを忘れずにしたいものです。