海外社長インタビュー INTERVIEW WITH PRESIDENT
ウインキュービック社長/アロハストリート 編集長 上野 元さん
大学卒業後、広告制作会社や外資系広告代理店で勤務。退職後、ハワイへ留学しハワイパシフィック大学でMBAを取得。2001年にウインキュービック社に入社し翌年、社長に就任。日本人向け情報誌とwebサイト「アロハストリート」を運営。
先ずハワイでこの仕事を始められたきっかけを教えて下さい。
日本では大学を卒業後、広告制作会社や外資系の広告代理店で働いていました。10年ほど働いて、32歳の時に「何かしたい。ここで何かしないと一生もう他に何もしなんだろうな。」と思ったんですよ。ハワイには友達と旅行で来たことがあり「ここに住みたい」と思ったこともあり、先ず語学留学でこちらに来ました。その後は大学に編入してMBAを取得して、インターンとして2年間PR会社で働きました。当初5人しかいなかった社員もインターンを終了する頃には 17人になっていて、インターン後はvice presidentとして働き、トータル4年間その会社にいたことになりますね。
ではそちらを退職後、すぐに今の会社に転職されたのですか?
いえ、実は2000年初めに一度日本に帰ったんですよ。6年ぶりの日本だったんですが、その頃日本はIT革命の真只中でしたね。そんな中、ウインキュービックの方々とはコンタクトを取り続けていて、2001年に編集長として再びハワイに戻ってきました。
2001年というと・・・。
そうです。9.11テロ事件の年です。初頭に戻ってきて、9月にはハワイの観光産業が一瞬にして壊滅状態にまで陥るような事態。まだ始まって間もない体力のないウインキュービックには辛すぎることでしたが、それでも「アロハストリート」の業績は沈むことなく伸び続けていたことが皆の心の支えでした。その年の暮れに社長代行に就任し、2002年暮れに正式に社長に就任しました。
そんな大変な時期があっても確実に業績を順調に伸ばされてきて、一見、順風満帆の様に見えますが、ハワイに来て大変だったことは何かおありですか?
もちろん!最初、学生ビザで来た時はお金が減る一方でとにかく貧乏で大変でした。それに僕は東京生まれで、ずっと首都圏で育ってきました。華やかなバブルの頃に東京で会社員をしていましたから、この小さな島の静かな暮らしに慣れるのも大変でした。当時は今の様にインターネットも普及していなかったし、来て早々は相当ホームシックにもかかりましたよ。それに気候風土の違い。日本の様に四季の移り変わりがはっきりしていないですよね。いろいろな意味で日本の良さを再認識しましたね。あ、でもこれは良いことにもつながりますね(笑)
そうですね。ハワイに限らず海外で生活すると日本の良さを再認識しますね。私がインタビューを担当した方は皆さん同じことをおっしゃいます。では逆にハワイに来て良かったことは何でしょうか?
やはり様々な「価値観の違い」が存在することでしょうか。基本的なルールさえ守ればあとはそれぞれの価値観で判断して何をしても悪く言われないですよね。例えば僕がMBAの勉強をしていた時でも、周りには40歳50歳の人達がたくさんいて、一緒に勉強していましたし、何歳からでもスタートが切れるという良さがあります。あとはこの自然の素晴らしさですね。気候、海、風、光。全てがミックスされて不思議な雰囲気を作り上げている。世界で一番だと思っています。
確かにこの自然は素晴らしいと私も思います。スポーツは何かされていますか?
ランニングです。1998年にホノルルマラソンに初参加して、3回ほど抜けましたが、あとは毎年走っていますよ。ホノルル以外にもマウイに出たことがありますが、今年はヒロ、コナ、マウイ、ホノルル、そして初企画のカウアイと、ハワイの5大マラソン大会に参加するつもりなんです。
それはすごいですいね!何かきっかけがあってマラソンを始められたのですか?
前の会社にいた時にマウイ観光局の仕事をしていたのですが、上岡龍太郎さんがスポンサーのマウイマラソンのコーディネーターをする機会があったんです。中側から見ている内に自分も走ってみたい、と思ったのがきっかけです。ランニングの他には、あとはヨガ。ジムのクラスやDVDで覚えて、今は自宅で週2-3 回やっています。心が落ち着くし、身体が驚くほど柔軟になって、肩こりとか腰痛とか、以前の悩みがなくなりました。海ではシュノーケルをつけて遠泳するのが好きですね。
では今後の目標をお聞かせ下さい。
日本のビジネスパートナーと通販事業を企画し、6月1日に「アロハストリート・セレクト」というECサイトのソフトオープンまでこぎ着けました。オリジナル商品をもっと開発したりしながら事業として成り立たせていけたらいいなと思っています。 2年前から「サークルウイン」というセミナーや交流会を主催しているのですが、先日、久々にセミナーと交流会を同時開催したところ好評だったので、今後は原点に戻って、もっとセミナー等を企画していきたいですね。ハワイの在住日本人コミュニティの活性化のお手伝いをするのは、私たちのひとつの使命とも感じています。そういう意味では、イーストウエスト・ジャーナルさんから引き継いだ「ハワイべんり帳」と、ウエブサイトとを合体させて、より在住の方に便利な情報をタイムリーに提供できるようにしていきたいと思います。
最後にハワイで生活したいと思っている方にアドバイスをお願いします。
日本語で生活できそうとか、日本感覚が通じそう、というところをハワイに期待してきてしまうと、やはり可能性も広がらないですし、ワイキキを一歩出ればそこはアメリカなので、生活面で困難な場面も多々あるかもしれません。英語はできるうちに勉強しておくに越したことはないでしょう。仕事面でも大いに役立ちます。今はインターネットで在住の方からの情報もリアルタイムで手に入る時代。ありとあらゆることを事前に調べておくことも、生活をスムーズに軌道に乗せる上で大事だと思います。来る前にリサーチしてし過ぎるっていうことはないと思います。アメリカは自己責任の国ですから、何から何まで人に頼らずに、自立心を持って、責任意識を高める意味でも、人任せにせず、自分でやることを習慣にしていくことが大切です。最後に、「ハワイで住むことがゴール」ではない、ということ。それはあくまでも新しい人生のスタート地点で、そこから何をしていくか、どういうライフプランを描いていくか、というところが大事ですよね。皆さんの、幸せなハワイライフ実現を心からお祈りしています!
上野社長は独特の雰囲気、オーラがある方です。お会いした瞬間からグッと引き込まれてしまう魅力がある方で、ハワイへのご自身の思いを語られる時は思わず聞き入ってしまいました。ハワイを知り尽くし、ハワイを愛している上野社長だからこそだと思います。これからもハワイの情報をどんどん私達に発信して下さい。今日はありがとうございました!
ウインキュービックアロハストリート編集部
2222 Kalakaua Ave., Suite 810, Honolulu Hawaii 96815