海外社長インタビュー INTERVIEW WITH PRESIDENT
ONEANN,Inc. 代表取締役 市村 恭一社長
東京デザイナーズ学院を卒業後、制作プロダクションにて3年勤務した後にフリーランスとし独立。 その後、デザイン・編集プロダクション 有限会社ワンアンを設立。ワンアンを運営する傍らで、出版社の社長に就任、後に自社化。 デザイン、製作プロダクションに加え、出版、広告代理、および人材派遣ビジネスなど、多岐に渡る事業展開を行う。 発行雑誌「cure(キュア)」のアメリカでの売上拡大を契機に、渡米。 2005年にONEANN,Inc.を.設立し、アメリカでのビジネスをスタート。 日本のアニメとポップミュージックをテーマにしたフリーペーパー「janime(ジャニメ)」をアメリカにて発行。(2006年) その後、フリーペーパー「popjneo(ポップジェネオ)」を発行し、後に雑誌としてアメリカのメジャーな本屋にて発売。 現在はニーズに合わせて雑誌をWEBや映像コンテンツとして新展開させるため、企画進行中。
市村さんがアメリカに来られたきっかけをお聞かせください。
もともと以前よりアメリカに対する漠然とした憧れはありましたが、渡米を具体的に決意したきっかけは、当時発行していた音楽情報誌「cure(キュア)」が、アメリカで急激に売上が伸びたことでした。すぐにアメリカのマーケット調査のために、渡米し、全米中のアニメコンベンションなどを視察してまわりました。日本のポップカルチャーが欧米で人気があることは知っていましたが、コンベンションでの盛況ぶりに非常に驚きました。
アメリカマーケットでの手ごたえを感じる中で、次第に英語版雑誌発行への意欲を強くしていきました。そして、2006年に日本のアニメとポップミュージックを取り扱うフリーペーパー「janime(ジャニメ)」の発行を実現しました。
アメリカと日本とで、働く上での違いは何でしょうか?
アメリカでも日本でも働くことの本質は変らないと思います。もちろん気候や生活環境、言葉などは異なりますが、それは表面上のこと、働く上での本質は同じだと思います。例えば、「笑顔」は万国共通だったりしますよね。つまり人間としての本質は同じだと思っています。
アメリカで事業を開始されて3年目を迎える市村さんですが、アメリカでビジネスをされていて、よかったと思う点、また苦労した点をお聞かせください。
アメリカでやっていて良かったと思うことは、アメリカには「fareness(公正性)」が重んじられていることです。チャレンジする者には、公平にチャンスを与えられる、そういう土壌があると思います。
苦労したというよりしている点は、強いていえば英語です。元々、得意な方ではなかったのですが、習うより慣れろ、で毎日実践で勉強しています。なんとかなるものです。
ONEANN,Inc.で働く人材として求められる要素は何でしょうか?
弊社は、日本の文化やライフスタイル、商品やコンテンツを紹介しているだけでなく、そういった活動を通じて、日本という国を世界中の人に知ってもらうことを目指しています。そのためには、日本が好きで日本文化を理解していて、更にその素晴らしい文化を伝えたいという意思が強い人と一緒に働きたいです。
外に出て初めて自国のことを客観的に見れるようになりますので、こちらへきて、アメリカの文化に触れることで、今まで気づかなかった素晴らしい発見ができると思います。
ONEANN,Inc.の社風をお聞かせください。
今まさに転換期ですので、時間が経つにつれて社風は少しづつ変化するとは思いますが、今までは「自由」を大事にしてやってきました。
社員の一員であるという責任を全うしていただければ、あとはやりたいことを「自由」にやれる環境だと思います。
ただし、「自由」を勘違いしてほしくはありません。
「義務と権利」の上で成り立つ自由です
市村さんがビジネスをされる上で、やりがいを感じる瞬間をお聞かせください。
読者にいい評価をされた時が一番嬉しいです。いい評価をもらえるということは、それだけ読者の皆さんが日本に興味を持っているということですから、尚更嬉しいです。
市村さんのプライベートでの趣味や好きなことは何でしょうか?
多趣味なのですが、今は、アダルトスクールという政府が斡旋している無料の語学学校に通っているのですが、そこであらゆる国の人々と接するのが楽しいです。
今後のONEANN,Inc.のビジネスの展望をお聞かせください。
これまでは、紙媒体を中心に展開してきましたが、今後はWebの媒体に注力をしていきたいと思っており、現在Web雑誌的なものを作成しております。日本のポップカルチャーの紹介だけでなく、日本の製品(例えば日用品など)も世界に広めたいと思っています。
世界中の現地のスーパーマーケットなどで日本の製品が買える日が来たら面白いですね。また、アメリカで起業する日系企業向けの会社案内やレターヘッドなどの印刷やデザイン制作のサービスも開始しました。日本とは仕組みの異なるアメリカで起業するには、何かと不便なことが多い、という自己体験からスタートしたものです。
今後、海外へ進出する若者に向けて一言お願いします。
日本は島国ということもあり、無意識に日本が「全ての世界」だと思ってしまいがちです。でも海外へ出て、生活してみると、日本の常識が全く通用しないことに気づきます。つまり「日本の常識」は「世界の常識」ではないということでしょう。 海外へ出て自分の足で生活してみることで、日本という国をより知ることができ、素晴らしい国であることを認識することができます。ですから、将来を担う若い方々にどんどん海外に出て活躍していただきたいし、また同時に世界中の人を日本に迎え入れていただきたいとも思います。