海外社長インタビュー INTERVIEW WITH PRESIDENT
Di Ventus Vice President 高橋賢司さん
高校生の時に交換留学生として一時的にアメリカコロラド州デンバーに留学。一旦帰国し日本の高校を卒業。その後アメリカ、ロサンゼルスへ本格的に留学。ロサンゼルスの大学を卒業後、LAのヘリコプター会社でたった一人の日本人スタッフとして勤務。その後、ステップアップするためにニューヨークへ渡り、日系旅行会社に10年ほど勤務。縁あって元のヘリコプター会社に再就職して本社のあるラスベガスへ移動し、副社長に就任。そのヘリコプター会社の事業拡張に伴い、ハワイ支店をオープンするにあたりハワイへ転勤。2008年にラスベガスへの異動を求められたが、すっかりハワイが気に入ってしまったためヘリコプター会社を退職。その後ペット産業に興味を持ち、ハワイに2008年末、ドッグホテル&スパ「Di Ventus」をオープン。
先ず、なぜハワイでドッグホテル&スパを経営しようと思われたのでしょうか?
ヘリコプター会社を辞めた後、次に何をしようかと考えていた時に知人から「カハラスーパーグルーミング」を紹介されてマネジメントを手伝っている内に、まだ未知の分野であるペット産業の将来性を感じたんですよ。そんな中、世界的に有名なグルーマーのInoue Kouseiさん達と一緒にこのドッグホテル&スパ「Di Ventus」をオープンすることにしました。ハワイには飼い主さんが満足できる、またやんちゃ・凶暴な犬を預かるドッグホテルが無い、と感じたことも大きなきっかけでした。
先ほどから拝見していると、ワンちゃん達は大きな部屋でみんな賢く遊んでいますよね。ドッグホテルということで、すっかりゲージの中に一匹ずつ入れられておとなしくしているものかと思っていました。
そうです。うちはゲージに入れて管理するということはやっていません。そうやって狭い所に、何日もいると犬はストレスを感じて性格的に凶暴になる等の問題が起こるからです。ただ広い所で他の犬達と遊ぶといっても、うちでは絶対に犬同士の取っ組み合いはさせません。 それは犬同士の上下関係の観念を持たせてしまって、悪い癖をつけて家に帰ることになるからです。うちを利用することによって、良い子はより良い子になって家に帰る。やんちゃな子は良い子になって家に帰るというのが大切なことですから。
まるで幼稚園、大きな教室に生徒としてやって来て楽しんで帰って行く、という感じですね
ハイ。犬達が良い子になれば、飼い主さんも叱らなくてすみます。そうすればお互いに信頼関係も生まれ、絆も深まります。より生活レベルをアップしてもらわなければ意味がありませんからね。
ではKenjiさんにとってハワイとはどんな所でしょうか?
そうですね、いくつかあげると「アメリカであってアメリカでない所」「日本人が力を発揮できる所」「カタカナ英語が通じる所」でしょうか(笑) 他を受け入れる懐の広さがここにはありますね。それと個人的には、緑が深くてトロピカルなのに爽やかなところが好きです。自然が生きていて、生命力を感じるでしょう。そういうことが人間性にも影響しているんじゃないかな。
本当におっしゃる通りだと思います。このハワイ特有の雰囲気というのでしょうか。ここにしかないものを感じますよね。
僕は実は昔「癒し」って言葉が嫌いだったんですよ。弱っている人を見ると「なんで?気持ちの持ちようだろ。」なんて思っていました。でも、本当の意味での「癒し」っていうのは「どこか痛いから、ただ治療してとか、リラックスする。」っていうものではなく「positiveな考えを持てる」ことだと思う様になりました。例えば急いでいる時に車がパンクしたとして、普通なら「コンチクショー。まったく!」って思うじゃないですか。でもハワイだと「良かったね。そのまま運転していたら事故にあっていたかもしれないよ。」なんですよね。そういう前向きに「次にものを考え出せる何か」がハワイには溢れていると思うし、それを知ってから楽になりましたね。
そうですね。ハワイでは何事も前向きに考えることのできるエネルギーを感じますね。では逆に悪いところとは?
これはハワイ全体、ただし日本人は除くローカルの話ですが、自然を大切にしないところです。こんなに素晴らしい自然がたくさんあるのに、あって当たり前になっているんでしょうか。もっとこの自然を大切にして欲しいですね。それからこれもローカルについてですが「アロハスピリッツ」と「怠ける」が一緒になってしまっている傾向がありますね。サービス業において特にそう思いますが、カスタマーサポート精神が希薄で「ニコニコするのはいいけど仕事しろ!」と思ってしまいます(笑) これはやはり教育の問題だと思うし、そういったところがもっと良くなる様にと思っています。
では最後に今後の目標をお聞かせ下さい
先ずホテルもグルーミング部門もかなり忙しくなってきているので、お客様のご要望にお応え出来る様に店舗を増やしていきたいです。また犬との触れ合いを通して社会適合性を身につける更生施設の様なものを作りたいと思っています。今の若い人達は自分個人の責任を取れない人が多いでしょう。今まで自分で何か責任を負った事がないんですね。そこで、犬の世話をすることによって責任を取るということを学んで欲しい。それとこれは今もやっていることですが、捨てられたり虐待を受けた犬達のケアも更に充実していきたいでね。
素晴らしいですね。他にはいかがでしょうか?
実は以前から「ハワイ再生プロジェクト」というプロジェクトを立ち上げています。これは一時に比べると半減している日本人観光客を呼び戻そう、という趣旨で立ち上げたものです。アジア各国に比べるとハワイはやはり割高感があって、コストの面では負けてしまう。一方でコストや時間に余裕のある層はヨーロッパ等に流れている傾向がある。これじゃ駄目ですよね。「やっぱり日本人はハワイでしょ!」と思ってもらう為に、様々な活動を行っていく予定です。それから「Bari Bari 13」というバンドでドラムをやっているので、こちらのメジャーデビューとグラミー賞を狙っています!
仕事の話もご自身の思いも本当に真摯に熱く語って下さった賢司さんに共鳴することの多いインタビューでした。今日はお忙しい中、ありがとうございました!
Kaze USA〜Di Ventus
923 Keeaumoku St.,Honolulu,Hawaii 96814
Tel:808-983-3855