海外社長インタビュー INTERVIEW WITH PRESIDENT
Hollywood Beauty College 代表取締役 橘英司社長
日本で美容師として勤務の後、1991年に現在のスクールに留学。卒業と同時に同スクールにて就職
橘さんがハワイに行かれた経緯を教えてください。
以前から海外就職への興味はありました。年を取る前に一度海外に出てみたかったので、1991年、30歳でハワイに来ました。 まずは現在のスクールに留学(Mビザ)という形でハワイに来ました。14〜15か月のコースを終了したと同時にスクールにそのまま就職しました。
そのままスクールで就職されたんですね。ビザは大変ではなかったですか?
当時は今よりも就職状況は厳しくありませんでしたが、美容関係はビザが難しいですね。4年制大学を卒業していない場合はH ビザが申請できませんが、美容師になる方は4年制を卒業している人が少ないので、たいていはEビザになります。その場合、マネージャーランク でないとビザがおりないので、その点でも苦労する方が多いと思います。今は当時よりもっと厳しくなっていると思いますが特に独身女性でキャ リアがないとなると、厳しいみたいですね。
僕の場合は日本での経験があったので、マネージャータイトルでの申請が可能だったのとスクールでの就職なので他の人ほどは苦労はなかったですね。Eビザは日本に戻っての申請になるんですが、申請して最短で1か月くらいだ と聞いていたところ、2週間でおりました。
生活面ではいかがでしたか ?
家を借りるのにはそれほど苦労はしなかったのですが、車を買う時が大変でしたね。その時はまだ英語もあまり話せなくて、エアコンが壊れていることに気付かずにサインをしてしまったんです。後からクレームしてもサインした後なので修理もしてもらえず。。。ローカルのスタッフなどが助けてくれましたが、何事も自分の目でしっかり確認しないといけないな、と。そういう意味ではいい経験になりました。
あとはクレジットカードがすぐには作れないので困りましたね。同じ系列のカードを持っていたとしても、日本での履歴はこちらでは意味がないので作れるようになるまで大変でした。
やっぱりはじめは大変ですよね〜。ハワイでの就労がスタートしたのですが、日本との違いを感じる事はありましたか?
美容室、ということで言うなら対象とする人がまず違いますよね。髪の質や色の違い、使用する薬剤、求められるスタイルの違いなどがあります 。でも最近はローカルのお客さんでも若い人なんかは日本のスタイルを求める人も増えてきていますね。
あと、こちらの人のほうが時間に厳しいですね。日本だと業務後に自主的に練習するのが当たり前ですが、こちらの人は時間になるとさっさと帰りますね。練習するにしても、それも仕事のうちだと考えるようです。僕も仕事で残っていると早く帰れと言われたりします。
やはり日本とは文化が違いますね。海外で働く場合には、どのような心構えで臨めばいいのでしょう?
美容師で言えば、アメリカではいかに自己アピールが出来るかということが重要になってきますね。日本であればお店の売上のために、という感じですがこちらではコミッション制になるので、個人の売上が重要になってきます。そのためオーナーとスタイリストは50/50の関係に近いですね。日系の美容院でお客さんも日本人であれば日本と同じでしょうけど、ローカルの美容院であれば日本のシステムのままこちらに来ると認められないかもしれないです。
日本との違いについて、スクールで教えたりするのですか?
スクールでは教えないですが、個人的に相談に乗ったりはしていますよ。逆にローカルの人が日系の美容室に就職する際にも、日本のシステムを教えてアドバイスします。
では、今後の橘さんの目標を教えていただけますか?
ハワイでのビジネスの立ち上げは難しいと言われていますが、僕が思うのはいい技術やいいものをそれなりの価格で提供すればお客さんは来る。実際にハワイへの日本からの投資は増えています。日本の美容室が増えれば、ハワイの美容業界全体のレベルがあがるかも、 という期待があります。いかに生き残っていくかと言う点では、来年が変化の年になると考えています。よりスクールを大きくしていきたいですね。
最後に海外就職を目指す方にアドバイスをお願いします。
諦めないことですね。自分もそうでしたが、ベストを尽くすということですね。中途半端では通用しない。日本で通用する人間であれは全世界どこでも通用する。そして結果が出せる経験がないと、どこでも通用しません。美容業界は特にです。
夢は捨てない。諦めない。目に見えるような目標を持つ。そうすることによって漠然と思い描いているより、早く夢の実現に近付けると思います。